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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2004年6月のニュース一覧
▼[2004.06.30]Do You Love Me?
▼[2004.06.28]気持ちを送ります
▼[2004.06.26]ガジェット作りに必要なもの
▼[2004.06.24]「好き」の,想い
▼[2004.06.22]もうひとつの戦争
▼[2004.06.20]殻のなかの雛鳥
▼[2004.06.18]追い風の先の携帯
▼[2004.06.16]愛ですかそうですか
▼[2004.06.14]社会の下地となるもの
▼[2004.06.12]法の準拠
▼[2004.06.10]冷雨夜考
▼[2004.06.06]きょうすること
▼[2004.06.08]その売り方処し方
▼[2004.06.06]きょうすること
▼[2004.06.04]next iPodに必要なこと(再)
▼[2004.06.02]彼女について調べること

■2004年07月のニュース一覧
■2004年05月のニュース一覧


 
[2004.06.30]
  Do You Love Me?


 ▼Email use survey results: report now in(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2004/06/28/email_survey_report/


 「好き好き大好き,なんてこと,訊かないし,云わないで」。

quote:1793人から回答が寄せられた電子メール使用調査の結果。回答者の80%以上は,重大かつ重要な個人的コミュニケーション手段として電子メールを考えている。現代のビジネスにとってもあってしかるべきもので,ただの机同士のメッセージ交換以上のものとなっている。そして,電子メールのセキュリティは大きな関心事となっている。

 会って話すよりも,メールで会話した方がいいと彼女は云う。彼女と会っても,二言三言話せばいい方だ。なん時間も一緒に歩いたり,食事をしたり,ただそばにいるだけでも,特に話すことはない。それをみて,友人は変だと云う。でも,彼女は別におかしいとは思わないけど,と笑って,僕もならいいね,と云ってまた過ごす。以下,彼女のメールから。「しゃべらない人をつまらない人と決めた人は誰なんだろう。大事なことをきちんとしゃべれるのは必要なことだと思うけど,どうでもいいことをずっとしゃべっているのは,その方がわたしにはつまらないけど」。

 「わたし,しゃべるときも一度,頭の中で繰り返すんだよね。普通の人はそうぢゃないのかな。どぉ? もっと適切な言葉はないかな,相手がやな気持ちになったりしないかな,もしかしたらいわない方がいいかなって,何度も頭のなかで言葉を繰り返すの。だから,自分のなかでは全然しゃべってないとは思ってないんだけど。損してる? そんな風に思ったこと,ないなぁ」。「好きな本もあるよ。おぼえている,大好きな詩もある。でも,その本の言葉や詩は,口からすぐには出てきたりしないでしょ? わたしの頭ぢゃ出てこない。世の中にはそんなことができる人もいるのかな? だからね,好きって声は,実はあんまり信じられないけど,好きって文字をみるのは,うれしいよ」。



 
[2004.06.28]
  気持ちを送ります


 ▼Internet speed record broken(Zeropaid.com)【英語】
  http://zeropaid.com/news/articles/auto/06212004b.php


 数年前には,ナップスターで1曲落とすのに数十分もかかってたもんだけど,なんでも送れるようになったいまは。

quote:スプリント社とスウェーデンの国立研究教育ネットワークによって,インターネットの速度記録が更新された。約840GBのデータを約1万6千km離れたところに送るのに,27分以下だった。平均4.23Gbpsの速度となり,いままでの最高速度記録を上回った。

 「別途,先日あなたが観たがっていたDVDボックスをイメージ化して送ります。2層式なので1枚が8GBちょっとですが,2秒ほどで送れますね。ボックスでDVDが4枚入っているので8秒ほどかかります。イメージのままマウントして再生してもいいですし,DVD-Rに書き込んでもいいでしょう」。「ご予約いただいていた携帯電話の新機種をネットワーク経由でお送りします。受信後,HardDecrypterでイメージデータを実体化して,ご使用ください。イメージデータのサイズは18TBになります。送信には1時間ちょっとの時間がかかることが予想されますので,前もってご準備ください」。

 「いまの気持ちを送ります。それにしても,どうして気持ちというのはこんなにバカでかいサイズになるんでしょう。テキストファイルにしちゃえば20バイト程度ですんでしまうようなものでも,数10TBほどになる。今回お送りするものは37TB,送信には2時間半ほどかかります。迷惑かもしれませんがごめんなさい。気持ちは,テキストやチャットボイスなどで送ってしまうと,すでに気持ちではなくただのファイルになる。だから気持ちのまま送るんだけど,そうすると大容量。たぶんその大容量のほとんどはムダなものが詰め込まれているだけなんだけど,気持ちって,そもそもそういうものなんだから仕方がないんだろうな。って,いまぢゃあそんな気持ちのやり取りがネットワークの通信のほとんどを占めていて,ネットの普通の使い方だとみんな思ってる。Winnyとかでトラフィックがどぉのこぉのなんて云ってたのがバカらしく感じるけど,気持ちを送るのはもっと大問題なのに誰もなにも云わない,ぃゃ,云えないのか。最初から送っちゃいけないものなんてなかったんだな」。



 
[2004.06.26]
  ガジェット作りに必要なもの


 ▼Game Boy toughs it out(ThisisLondon)【英語】
  http://www.thisislondon.com/lifeandstyle/articles/11183864


 プロダクトデザインは大切だ。が,それも要素のひとつであり,ほかの要素以上のものにはなりえない。要素はすべて均一の価値を持つ。それがハードウェア作りの基礎である。

quote:iPodはよりトレンディで,ノートパソコンはよりパワフルで,携帯電話はもっとも使用頻度が高いかもしれない。だが,もっともタフな,ガジェット界のターミネーターはゲームボーイだ。猛スピードでオフロード疾走する車内でブレーキをかけたとき,ノキア7600とノートパソコン,iPodはダメージを負った。その後,猛烈な濁流をカフーでくだるテストでノートパソコンとノキア7600は命運尽きた。その後,ノキア7600はテキストメッセージのやりとりができる状態に回復したが,ノートパソコンは蘇生しなかった。iPodとデジタルカメラ,ゲームボーイは最後まで残ったが,最後のクレー射撃でiPodとデジタルカメラは撃ち砕かれた。

 笑った。このテストはT3マガジンというさまざまなガジェットを扱う英国の雑誌の企画で,5つのガジェットが試験台にあげられた。iPod,ノートパソコン(ラップトップと表記されているけど詳細不明),ノキア7600,任天堂ゲームボーイ,ペンタックスのデジカメという面々。ゲームボーイは1989年に発売されたものとあるので,もしかしたらいま日本の店頭にあるアドバンスではなく,初期のゲームボーイかもしれない。ちなみにMacworld UKのページにクレー射撃で打ち砕かれたiPodの写真があるんだけど,これはかわいそうだなぁ(^^ゞ写真キャッシュ

 まぁもちろんiPodとかノキア7600を持ってオフロードを疾走する人もカヌーくだりをする人もクレー射撃の標的にする人も泥のなかに落下させる人もいないとは思うんだけど,それでもまだ使用可能だと云うのはそのガジェットの指針のひとつにはなる。潜水艦で海底深く潜ったときとか,宇宙船で大気圏外に出たときとかに使えそうなものと考えると,ゲームボーイはやっぱり大丈夫そうな気がする。よく以前は,日本の製品はそういう点の信頼感が高いとよく云われたけど,そういうムダな信頼感もアピールすると一部の人は喜ぶかもしれない(まぁ一部の一部かもしれないけど)。ハードウェアの製作に関わっている人は,たまに考えて,笑いながらタフさを試すテストをしてみるのも楽しいかもしれないね。



 
[2004.06.24]
  「好き」の,想い


 ▼念じるだけでゲーム操作 米で実験成功(CNN.co.jp)
  http://www.cnn.co.jp/science/CNN200406200012.html


 「好き」って伝えたいこともあるけど,でも,伝わってしまって殺し合いになることもある,それが人間ってものだよ。

quote:バーンズ・ユダヤ教病院の神経外科医らが発表したところによると,脳に電極を取り付けてその信号によってゲーム機を直接操作する実験を行い,標的を狙うゲームをパーフェクトでこなした被験者もいた。これまでもサルや人間での例がいくつか報告されているが,今回の方法は電極を大脳皮質に取り付ければすむため,本人の負担が軽い。だが実用化には,今後何年も動物実験を繰り返す必要があるという。

 想いは伝わることがある。確実ではないけど,言葉や文字にしなくても伝わることがある。それがなんなのかはいまだにわかっていないけど,脳波によるものかもしれないとは昔からよく云われていた。でも,想っているだけぢゃダメだよと云われることもよくある。どんなに強く想ってたって,相手になにかの方法で伝えなくちゃ,なにも始まらない。もちろん,なにか,で気付くこともある。でも人間は,おおむね気付く必要があることにはさっぱり気付かない,そんな生き物だ。

 人の心がわかる薬は,最初売れたけど,結局誰も使わなくなった。伝えたくないと思う想いまで伝わってしまったら,人は生きていけないんだ。だから無線による脳波伝達を行うこの装置も,結局かなり不思議な装置となった。あらかじめ,ゲームパッドの操作が決まっているように,伝える想いを登録する必要があるのだ。そしてその機器を発売するメーカーは,あらかじめトラブルを起こしそうになる言葉を除外する必要があった。「いやだ」とか「死んで欲しい」とか,もしかしたら思ってしまうかもしれない言葉で,でも伝わらない方がいい言葉を解除できないように設定していった。でも。その作業は困難を極めた。他人の想いに,ほかの人が口を挟むのは難しいんだ。そして,もっともどうしたらいいかわからなくなって,結局無視した言葉がある。



 
[2004.06.22]
  もうひとつの戦争


 ▼Nokia 'invests in Mozilla'(The Register)【英語】
  http://www.pcworld.com/news/article/0,aid,116323,00.asp


 いつか,パソコン向けとか携帯電話向けとかが,ウェブページからなくなるように(もちろん,iモードなどもいらない)。

quote:匿名の情報の報告書によると,ノキア社はオープンソースのブラウザを開発するモジラ・オルグに出資した。携帯電話向けモジラのミニモ・プロジェクトは2月に,初めてのプレビュー版をリリースした。ノキアのモジラへの投資は,オペラ社にとって携帯電話向けブラウザ市場を独占できるという思いを改めさせるだろう。

 私事だけどノキア7600(過去記事)で初めて3G携帯を手にしているんだけど,メールにしてもウェブにしても速い。いままでの携帯電話やAirH"はなんだったんだと思うほど速い。こんだけパカパカ落ちてきたらそりゃパケット代もかさむわなという感じなんだけど,ともかく快適である。ノキア7600はブルートゥースがあるので,必要なものはパソコンで落としてブルートゥースで送ればよい。でも,やろうと思えば,どこかのあぷろだとかにアップロードして,直接ダウンロードもできる。

 シンビアンOSの携帯電話なら(ノキア7600は違う),携帯電話版オペラが動作するし,オペラ社のページでは14日間の試用版も配布されている。京ポン(AH-K3001V)で日本のユーザーにも大きく特徴が伝わった携帯電話版オペラは,まだまだパソコン向けのウェブページを携帯電話の小さなモニター向けに表示するケータイモードなど先行点が多い(ITmediaモバイルのページ)。ミニモがいつ追いつけるか,そして追い抜くことができるか。シンプルに,でも多機能に,と究極を求められる携帯電話向けブラウザ戦争は,パソコン向けよりも激しく面白いかもしれない。



 
[2004.06.20]
  殻のなかの雛鳥


 ▼Chinese Build Free Net Encyclopedia(PCWorld.com)【英語】
  http://www.pcworld.com/news/article/0,aid,116323,00.asp


 「卵の殻を破らねば雛鳥は生まれずに死んでゆく。我らが雛だ卵は世界だ。世界の殻を破らねば我らは生まれずに死んでゆく。世界の殻を破壊せよ」(『少女革命ウテナ』)。

quote:中国の非公式グループは,中国のネットユーザーのために中国語版ウィキペディアと呼ばれるオンライン百科事典を作成している。ウィキペディアは英語版では26万を超える項目数となっており,50の言語で60万を超える項目数がGNUライセンスで自由に利用できる。この中国語版ウィキペディアは,中国本土の人を共産主義の検閲から解放することになりえるが,しかし共産党政府は大きなファイアウォールで,本土の人をウィキペディアから切断するかもしれない。いまのところ,項目はすべて中立の視点で書かれており,それが中国による検閲を受けない理由となっているが,1989年の天安門事件に関する項目も含めて,いつ中国からのアクセスが遮断されてもおかしくない。

 人の意見はばらばらだ。コピープロテクトCDに反対していたって,では著作権をどうしたらいいかを述べてみると,人それぞれ,かなりの温度差がある。「反対するだけなら誰でもできる」というのは確かにその通りで,ではダメだといういまと違う,どのような社会を構築するのか,が大切である,が,そこでただ反対するだけとは異なる,人それぞれのさまざまな意見が明るみに出てきて,場合によっては新たな問題も起こる。だが。

 いま考えて,天安門事件は早急な改革であっただろうか? あのとき多くの学生たちが立ち上がり,そして虐殺されたのは当然の結果だったと云えるだろうか? そしてその後の中国は,正しい道を進んでいるだろうか? と部外者ながら考えて,あのとき行った弾圧を正当化できる人は少ないのではと思う。そしてふと,あのときの共産党政府のように,とても一般常識では理解できない,謀略と策略を繰り返して自らの利益を守ることのみに精を出している人たちが,いまの日本にもいるぢゃないかと気付く。著作権を守るという言葉で,変態行為を繰り返し続けるそれらの人々を,わたしたちは放っておいてもいいのだろうか? その先に,まともな文化などあるのだろうか? 中国語版ウィキペディアをみながら,そんなことを考えている。(追記:BBSで情報をいただきました。6月3日から中国共産党はウィキペディアへのアクセス遮断を実施しているそうです(ITmedia Newsの記事))



 
[2004.06.18]
  追い風の先の携帯


 ▼「Nokia 7600日本語版」を3時間ほど触ってみました(ITmedia モバイル)
  http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0406/14/news006.html


 追い風のちょっと前を吹いている風には,どんな香りがあるだろう。

quote:ノキア社のノキア7600は,インセンティブがないこともあって,日本の端末価格の水準からみると,かなり高価だ。だが,同梱のパーツ類は凝っている。付属のイヤフォンマイクの応答用ボタンはすべり止めの下に隠れている。

 前回(過去記事)の続き。わたしはもともとボーダフォンの人なのだけど,Jフォンのときの機種をずっと使ったままだったので,ノキア7600に鞍替えするためにSIMカードと交換してこなければいけなかった。で,7600ではvodafone.ne.jpのメールアドレスは使えなくなるので予備としてほかのSIMカードが使用できる機種に機種変更し,必要に応じてSIMカードを7600に入れて使おうかとも思ったんだけど,機種変更するのも2〜3万円ぐらいかかる機種しかなかったので,SIMカードに替えてもらうだけにしてきた(手数料は2000円ぐらいだった)。で,そのときボーダフォンショップの人に聞いたら,あとでSIMカード機種だけを買いに来ても,7〜8万ぐらいするだろうと云われた。インセンティブがまったくない価格だと,7600の価格とたいして変わらない,ぃゃ,7600の性能を考えたら,かえって安く抑えられていると感じている。

 前回,MP3プレイヤーをメインとして使っていると書いたが,胸ポケットに端末を入れて付属のイヤフォンでMP3を聞いているときに電話がかかってきたら,イヤフォンのケーブル途中にあるボタンを押し,そのボタンのところをマイクとして電話に出られる(MP3の再生は,通話中は自動的に止まる)。かけるときも登録しておいた言葉をマイクにしゃべるとダイヤルしてくれるので,端末を胸ポケットから出さずにすんでしまう。また,このマイクはボイスメモとしても使えるので,1分以内のメモとして使える。マックOS XではiSyncが使えればiCalやアドレスブックのデータも一気にやり取りできるがそれはできない。が,アドレスブックは「カード」メニューからブルートゥースで1つずつ送信することはできる。再度入力しなくてもよいので助かった。という感じで,使い方の幅が激しく広い,そんな携帯電話であると感じている。



 
[2004.06.16]
  愛ですかそうですか


 ▼ノキア、日本語版「Nokia 7600」インタビュー(Impress ケータイWatch)
  http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/interview/19258.html


quote:リーフ型のデザインが特徴のノキア7600が,15日に発売される。ノキア社にインタビューした。「日本ではどこのケータイを持っていますかと聞かれると,ドコモですとかボーダフォンですとなるが,海外ではノキアを持っているとなる。日本でもこうよばれるようになりたい」「日本では携帯電話の浸透率が高まり,これからは買い替え中心となる。キャリアと負荷を負うより,端末としてそれなりの価格で使う側の人たちが認知し,利用していった方がより自然で健全なビジネスモデルになっていくと思う」。

 ということで購入してみた(pic)。いろいろと難点はある。たとえばメールの設定もウェブの設定もかなり面倒(それ以前にdocomo.ne.jpやvodafone.ne.jpのメールアドレスは使えない)。ノキア社のページをみながらでないと難しい。なにもしなくてもメールのやりとりができるほかの携帯と一緒にしてはいけない。ウインドウズには専用のツールとUSBドライバが提供されているが,マックでは付属のUSBケーブルでは接続できない。ブルートゥースが使えない人はファイルのやり取りができないことになる。また,iSyncやサーリング・クリッカーも使えない。

 ほかとまったく違うキー配列(pic)。両手で左右のキーを親指で押していくと,個人的にはほかの携帯よりもはやく文字入力できる。が,右上の「6」のキーは小さくて大変。クイックタイムで書き出した3GPPの動画は問題なく再生できた(pic)。マックからはOS標準の「Bluetooth ファイル交換」というソフトでファイルのやり取りをする。事前に環境設定で認識しておき,ファイルを選び,デバイスの選択で7600を選べばいい(pic)。「送信」ボタンを押すと7600では「受信しますか?」と出るので(pic)承諾する。転送速度は遅いけど問題なく送信でき(pic),送り終わったら「操作」メニューから保存する。マックユーザーにはもうひとつ難点だが,iTunesで作成したAACファイルは再生できない。MP3は再生できるので,AACで保存している人はエンコードし直す必要があるだろう。

 個人的な話になるけど,iPod亡きあと携帯音楽プレイヤーを探し求めていたので,いまはそれをメインとして使っている。ヘッドフォンで聴くときには差し込み口が専用なので,付属のヘッドフォンしか使えない。ブルートゥースのヘッドフォンが出てきてくれれば使えるだろうか? いつもiBookを持ち歩いてメールチェックをしていたのだけど,7600に仕事用のメールアドレスの設定をしたので,iBookがなくても手軽にメールチェックできるようになった。ありがたい。もうひとつ携帯電話用のメールアドレスの設定をしたいが,問題はほかの携帯電話と違い,自分からメールチェックをしなくちゃメールを受信できない点。なにか方法がないかなぁと思案中だ。………ということであれやこれや困ったことは多いのだけど,でも,なんだろうこのうれしさは。リオやiPod,パーム,そして携帯電話も含めていろいろな携帯デバイスを持ってきたけど,それらよりも格段にうれしさが大きい。難点がいくらあっても,このうれしさがあればずっと使っていける。そう,感じている。



 
[2004.06.14]
  社会の下地となるもの


 ▼Wi-Fi Planet: Mixed messages for wireless future(Computerworld)【英語】
  http://www.computerworld.com/mobiletopics/mobile/story/0,10801,93765,00.html


 下水道,電線,車道,鉄道…。社会形成の下地となるものはいくつもある。数年後に,必ず必要なものとして加わっているもの,は。

quote:ボルティモアでのWi-Fi プラネットの講演では,無線によるインターネットアクセスが爆発的な成長を遂げるという予想があった。現在すでに浸透しているWi-Fiの例としては,3000人の学生のホットスポットとなっているアーカンソー大学がある。Wi-FiはIP電話,セキュリティカメラにも使われ,校内のラジオやテレビもWi-Fiで放送されている。今後消費者に一層の普及が見込まれるが,多くのWi-Fiの規格と,さらにWiMax,加えてさまざまな携帯電話標準と携帯型OSなどがあって,消費者を混乱させることになる。

 ワシントン州フェリーが,すべての船でWi-Fiアクセスできるようにするという(The Registerの記事)。秋には有料になるようだが,競争力のある価格設定にするとのこと。規格はIEEE802.11a,b,g。そういえばひと月ほど前に飛行機内でのWi-Fiアクセスのニュースもあった(WIRED NEWSの記事)。802.11bのみで,なにより30分10ドルというのは高いよと思うけど,Wi-Fiにアクセスできない空間がこの世からなくなるときが必ず来ることを信じることができる。で,そのときに思うことは。

 こんなことを云っても仕方ないのはわかってるんだけど,携帯電話という文化は失敗だった。よくこんな無駄に金ばかりかかる文化が育ってしまったものだと感心する(まぁ金もうけしたいだけなんだから仕方ないか)。Wi-Fiアクセスがすべての空間に行き渡り,携帯IP電話をすべての人が持てば,いま携帯電話にかけている金はすべて無駄になる。なにも残らない。すべての電柱や自動販売機に,Wi-Fiのベースステーションを付けていけばよい。どこでみたのか忘れたが,自動販売機にネット接続機能を付けて在庫状況をネット経由で確認できるようにすれば,自動販売機を管理するのにかかる費用は8割ほども節約できるという。AM/FMのラジオ放送,テレビ放送もすべてWi-Fi経由で十分,もちろん電話線もNTTも存在しなくていい,いまの社会にある無駄なものをすべてそぎ落とせる。Wi-Fiを下地として,きちんと未来を向いた社会が作られていく,そして,その下地の作成はすでに始まっている。



 
[2004.06.12]
  法の準拠


 ▼Canada plays neutral in file-sharing war(Canadian Content)【英語】
  http://www.canadiancontent.net/commtr/itemid190.html


 日本や米国の政治家は,カナダの政治家よりも善人だろうか,それとも悪人だろうか。日本とカナダの法律は,どちらが正しい,だろうか。

quote:米国,ドイツ,デンマークなどでファイル共有を行っている人に対する訴訟が行われており,そのほとんどは著作権保有者の勝利となっているが,カナダでだけは違う結果となっている。昨年12月にカナダの著作権監督機関は音楽ファイルのダウンロードが合法であるとの判断をしめした。そして3月末には,カナダの音楽業界がファイル共有を行っている人の情報の提出をプロバイダーに求めた裁判の判決で,プロバイダーには情報公表の必要がないとし,さらにファイル共有がカナダの法律の下で合法であると述べられた。当面の間,カナダは世界のファイル共有ユーザーの避難所となる。が,今後音楽業界などが政府に圧力をかけ,状況が変わる可能性もある。

 国際レコード産業連盟の調査によると,米国でのファイル共有を行っている個人に対する訴訟などによって,ネットワーク上で共有されている音楽ファイルの数は27%減少したという(The Registerの記事)。ただし,この数字をそのまま受け取るようなバカは普通はいない。WinMXとWinnyの利用者が減れば,ファイル共有ユーザーがいなくなるわけではない。ほかにもあちこちあれやこれやとファイルを公開し,ダウンロードする場所はある。特に海外ではビットトレントによるファイルのやり取りがかなり身近になってきているし(わたしも利用する割合が増えている),最悪,個人でサーバーを立てて仲間内だけでファイルのやり取りをすればよい。ただ単に,27%のファイルはほかの場所に移動しただけのことでしかない。

 たとえば殺人を犯している人が目の前にいたなら,できる限り警察につき出した方がよいと思うのは当然のことだ。窃盗でもたぶんそうだろう。転じて,ファイル共有をしている人間を牢屋に入れることが,神の名の下に正しいことだと疑うことなく断言できる人間が,何人いるのだろう? ファイル共有を殺人や窃盗と同じ悪だと決めつけたいのは,ほんの一部の人間でしかなく,よく考えれば,すべての情報の共有と公開は,人間の進化のステップのひとつでしかないと思うことはできないだろうか? 正しい法をつくるのは政治家の仕事だが,ながめていてわかるように,政治家にたる政治家などほとんどいない。多数決でバカの意見が通るのだから,正しい政治家の意見など通らない。昨今の著作権法の論議ででも十分にわかっただろう。だから,ファイル共有をやめる理由など,なにひとつないのだ,ここがカナダでなくても。



 
[2004.06.10]
  冷雨夜考


 ▼小中学生の39%、「誰かを殺したい」(ITmedia News)
  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0406/07/news049.html


 「怒るときに怒らなければ,人間のかいがありません」(太宰治)。ネットワーク上での怒りをおさえてはなりません。その鬱屈した怒りは行き場をなくし,いつか無残を生み出すでしょう。虐待を受け続ける子どもが,いつか犯罪を犯すように。

quote:ネットアンドセキュリティ総研社の小中学生を対象とした調査結果によると,ネットの利用中に頭に来た経験があると答えたのは66%,誰かを殺したいと思ったことがあると答えたのは39%だった。殺したい人物でもっとも多かったのは学校の友だちで,ネットの友だちは少数だった。

 「世の中で生きるには,人々と付き合うことを知らなければならない」(ルソー)。子どもというのは,おとなが思うほど子どもではありません。自分を偽ってみせることもできますし,相手がつくっていることを見抜くこともできます。ですが,人と付き合うことには経験が必要です。最初からうまくできる人間はいません。そんな子どもにとって,多くの人がいるネットワークは,学ぶ前に実践を要求する場となるかもしれません。とは云え,そこに早いも遅いもありません。ネット上で人を殺す子どもは,リアルでも人を殺します。そこに,差異を持つこと自体,間違いです。人と付き合う始まりとして,ネットワークは間口広く,開け放たれています。

 「苦しみは,人間を強くするか,それとも打ち砕くかである。その人が自分のうちに持っている素質に応じて,どちらかになる」(ヒルティ)。自分が相手の前から存在を消すことも,相手の存在を消したいと思うことも,大差はありません。ただ,そこで強く苦しむ人間と,苦しまずにすます人間とがいます。わたしたちはより苦しんだ人間に同情したいところですが,その内面までを他者が知ることは,たいがいの場合は不可能です。また,いまのマスメディアに支配されている世の中では,それはよけい不可能でしょう。4割近くがネットで「誰かを殺したい」と思ったという見出しから,どれだけの人がその内面の苦しみを感じ取るでしょうか。報じる文面はすべてでなく,それどころかそこにはなにも描かれていないことを肝に銘じるべきです。そして,名句とともに,深く考えて冷雨夜を過ごします。



 
[2004.06.08]
  その売り方処し方


 ▼Three caught recording 'Tomorrow'(CNN.com)【英語】
  http://www.cnn.com/2004/SHOWBIZ/Movies/06/04/film.piracy.reut/


 非定形精神病でうろつきまわり,周囲からさげすまれる行動を繰り返す,音楽と映画にあしたは。

quote:3人の映画ファンが米国とカナダの映画館で,携帯型ビデオカメラを使って映画「デイ・アフター・トゥモロー」を撮影しているところを捕らえられた。撮影された映画は,DVDで発売されるかなり前に,海賊版DVDとして街角などで売られる。米国映画協会によると,2003年には5200万枚を超える海賊版ディスクが世界中で押収された。

 たとえば音楽のライブをするというときに,何万人も客が入る武道館などと,数百人が限度のライブハウスで,同じセットや設備を用いるアーティストはいない。それと同じで,映画館で観て十分に印象を与えるきちんとした映画を,10cm四方ぐらいの大きさのパソコン上のメディアプレイヤーで観て,同じ印象を与えるわけがない。もしメディアプレイヤーでも十分に面白いと云われるような作品は,映画館で上映する価値がないということだ。だから,映画館でビデオカメラに録画されたからといって,怒る必要などなにもない。それは,その作品に映画としての価値がないと云っているのと同じであるのだから。現在の著作権とやらの不可思議さがそこにもある。

 音楽も,部屋の一角を占めるステレオシステムで聴いていた時代と,小型のラジカセで聴いていた時代,ウォークマンの時代,そしてiPodの時代で,当然売れるものも売り方も変わって当たり前なのだ。さて,CCCDとやらと呼ばれるコピープロテクトCDや海外の安いCDが買えなくなるかもしれない法律,CD-Rが破壊的な安値になっているなかで1円も値段が下がらない音楽CDは,いったい誰に対して,どんな音楽の聴き方をしている人に売っているつもりなのか。わたしたちは,その売り方に同情すべきか,またはカッターででも斬り殺した方がいいか,まぁ普通の人はすぐに判断がつくだろうな。



 
[2004.06.06]
  きょうすること


 ▼改正著作権法が衆院本会議で可決・成立(Sankei Web)
  http://www.sankei.co.jp/news/040603/bun061.htm


 「あしたどうなるかなど,たいした問題ではない。たとえあしたがよくなっても,あさってがみえないのなら意味はない。だから,きょうすべきことは」。

quote:アジアで生産された廉価な日本の音楽CDの逆輸入を防ぐ改正著作権法が3日,衆議院本会議で全会一致で可決成立した。2005年1月から施行される。

 「ぶっちゃけた話をするなら,わたしは洋楽のCDなんかほとんど買わない。なので,洋楽輸入CDが買えなくなるかもしれないらしい著作権法改正とやらにも,さっぱり興味がない。まぁ,反対している人はせいぜいがんばってねという程度で,知識もない。が」。「国内に輸入されなくなるんだったら,アマゾン・コムででも買えばいいぢゃないかと思うのだけど,それはなにか間違っているんだろうか? 実際,たくさん買えば海外発送の送料分を入れても,安くあがる」。「わたし個人に関連することで云えば,ぼったくり率が高い国内アニメDVDも,過去の作品ならおおむね,アマゾン・コムで現地版が格安で売られている。マックOS XならOSEx,ウインドウズならDVD Decrypterなどでリージョンを取り除けば,困ることはなにもなく,あとは字幕なし・日本語音声で観ればよい」。

 「そもそも,すでにそういうレベルの話ではない。どんな著作権ならよくて,どんな著作権なら悪いとか,それ自体ちゃんちゃらおかしい。そんなつまんない問題は,どうだっていいよ」。「あしたしかみてないような話はきいても仕方ない。問題は,ちゃんとしたあさってを作ることだ」。「ではあさってのために,きょうすべきことはなにか」。「あさってには,世界規模で完全に匿名性を維持したファイル共有ネットワークが稼働している。海外発送をしてくれるCD/DVDショップもいま以上に便利になるだろう。そんなあさってに,いまの著作権法が改正されることがなんの問題になるのか」。「あさってのために,きょう破壊しておいた方がよいものはいくらでもある。そして破壊するための武器は,もうすでにみんな持っている。ファイル共有もある,海外ショップもある,チャット・IRC・MLなど現地の人間と知り合う手段もいくらでもある。それらがあれば,日本なんてちいさい国のなかで自分の小金を守ろうとしているクズどもなど,相手にしなくてもいい」。「あさってをみることもできないクズどもは,放っておいても死ぬ。邪魔なので,早くクズを殺すこと,そして,明確なあさってを支持すること。それがきょうすること」。



 
[2004.06.04]
  next iPodに必要なこと(再)


 ▼Coming Soon: 60GB IPods?(PC WORLD)【英語】
  http://www.pcworld.com/news/article/0,aid,116360,00.asp


 音楽が好きな人はiPod miniでよい。では次のiPodに必要なものは?

quote:東芝社は今後数ヶ月以内に60GBの1.8インチハードディスクの生産を計画しており,すでにアップル社から注文を受けていると云われている。アップルはiPodのために月35万台の1.8インチハードディスクを東芝から購入している。

 次世代iPodのために,ビデオ製品のエンジニアをアップルが求人していたのは半年前だった(過去記事)。普通に考えて,音楽を完全に取り込んだiPodが動画に向かうのは当然のことで,なんの意外性もない。そして60GBという容量。わたしはDivX AVIで動画を保存しているが,十分な品質で30分番組(23分30秒前後)を保存すると(画面サイズが640×480ピクセル)ひとつのファイルが180MB〜420MB,平均300MB弱程度だろうか。もちろん動きが激しければ容量は増える。だが,たとえ400MBとしても,60GBあれば4500分=75時間,丸3日以上の動画を入れられることになる,まぁバッテリーが持たないだろうけど。

 だが,もっと大きな問題がある。たぶんアップルはMPEG4以外の動画フォーマットを認めないだろう。そしてクイックタイムで作れるMPEG4の画質は悪い。まぁもちろんiPodで観るんなら画面サイズは320×240ピクセル程度だろうから,そんな高画質を望むべくもない。のだけど,多くの人はその動画をパソコンで観る気にはならないだろう。iTunes+iPodのAAC 128kbpsのように,パソコンでもiPodでも問題ない状態にはならない。と云うところで話が尽きる。違う。そうだ,ずっと前からそう云っているぢゃないか。ホントに必要なものは別にある。と,1年半ほど前の過去記事を思い出していた。ネットワークだ。自宅のパソコンを手軽に動画ストリーミングサーバーにし,いつでも好きなところからアクセスして好きな動画をストリーミングで観られる。それが,次のiPodの使い方だ。…ってハードディスクいらないぢゃんかよ(;´Д`).。



 
[2004.06.02]
  彼女について調べること


 ▼Ordering Pizza in 2019(The Register)【英語】
  http://www.theregister.com/2004/05/28/letter_pizza/


 個人情報が流出したと,あれやこれやと大騒ぎする時代があった。でも,ネットワーク上にない情報などない時代は,すぐにやってきた。そのとき,人は。

quote:2019年にピザを注文すること。「注文したいんだけど」「最初に国民番号をお願いします」「ああ,6102049998-45-54610だよ」「ありがとう。あなたの氏名,住所,家と職場と携帯の電話番号を確認しました」「うん…。オールミートスペシャルピザを注文したいんだけど」「それはよくないと思います」「なぜ?」「あなたのカルテによると,高血圧と高コレステロールとあります。国民健康保険ではその注文を認めないでしょう」「そうなのか…。ぢゃあなにがいい?」「低脂肪の大豆ヨーグルトピザをお勧めします。きっとあなたはそれをお好きでしょう」「なぜ?」「あなたは先週,大豆グルメのレシピを調べからです」…

 実際のところ,いまではほとんどの情報がネットワークで手に入る。手に入らない情報の方がないと云ってもいい。もちろん表向きは非常に個人的な情報は流通していないことになっているが,調べるところで調べればすぐにわかる。たとえば,人の評判を収集しているサイトがある。特別なフリーウェアのツールをインストールしないとアクセスできないが,すべての日本国民に関する評判,噂,名声などが書き込まれている。基になっている国民のデータベースは,国によって公開されているのだから,あとはそれに,知っている人の情報を書き込んでいくだけだ。もちろん,本人が自分の評判をみることもでき,そこに間違いがあることに気付くこともある。特別なツールのインストールによって,書き込んだ人,みた人の情報がきちんとわかるから,あとは特別な調査員によって調査が行われ,間違いだとはっきりしたら削除されて,書き込んだ人の評判には間違いを書き込んだことが付け加えられる。

 たとえばある女の子を好きになったとして,その人のことを知りたいと思うのは当然のことだ。どんなサイトが好きなんだろう,いままでどんな学校生活を送ってきたんだろう,どんな交際をしてきたんだろう,どんなSEXが好きだろう,ゆっくりと付き合っていけばそのうちわかることだけど,その評判サイトでほとんどのことは知ることができる。一時期,離婚する夫婦は8割を越えたけど,その後減ってきているのはこのサイトのおかげだと云う人もいる。ボクは,調べるべきだろうか,どうか,迷って,結局調べなかった。調べるべきか,調べないべきかは,選択できる。調べないまま,その女の子と接することもできる,それがいまできるいちばん最初の選択肢だ。それを,異常だと云う老人もいる。でもいま生きている人は,それが普通であることを理解している。そして,その普通の状態で世界は動き続ける。なんの,不都合もなく。



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